軍刀利沢 2021/6/12
曇り 9人パーティ
遡行グレード 1級
8:30入渓〜9:30大滝〜14:10軍荼利山〜16:00下山
大学の探検部の後輩現役生に沢登りを教えて欲しいと頼まれた。
私が在籍したころの探検部は沢登りやクライミングをはじめ、ラフティング、離島での洞窟調査、無人島生活、さらには海外遠征など盛んに活動していたが、現在の探検部にはそのような心躍る活動は無く、低山の山歩きや廃墟巡りといったユルい活動に終始し(それ自体は悪くないが)、半ばお散歩サークルになりかけているようだった。
しかし最近部長が代替わりし、探検部の現状に危機感を抱いていたその新部長が、沢登りを復活させんと意気込みOBに頼み込んできたというわけだ。敬意を表すべき行動である。
その心意気やよし。だが教えるのが私でいいのだろうかという懸念があった。誰に教わったわけでもない、書籍と自己の体験のみでやってきた独学者が「教える」などとはおこがましいとさえ思う。むしろ自分が教わりたいくらいなのだが、後輩の懇願を無碍にするわけにもいかず、出来る範囲でということで引き受けた。
そんなわけでOB5人、現役4人で沢の練習にちょうど良さそうな奥多摩の軍刀利沢へ行った。
有名な沢だが何気に初めて来た。
出発前に地形図の読み方など基本的なことを教える。
入渓してすぐにミニゴルジュとなる。
ここで遡行図の読み方を教えていなかったことを思い出し、遡行図の意義や各記号の意味について説明。
奥で遊んでいるのは、昨年上ノ廊下で膝を痛めた相棒である。
思っていたより水量がある沢だ。
適度に滝が現れ、どれも登れるので意外と楽しい。人気の沢というだけのことはある。
しかし事前情報で見聞していたような渓相の美しさというものは無く、沢は倒木や落石でかなり荒れていた。これも台風の影響と思われる。
5m以上の滝が随所に現れるが、登れるものが多い。(この滝が登れたかどうかは忘れた)
この大滝は登れないので左岸から巻いた。
巻きは簡単だがトラバースのスリップに注意。
これはチョックウッド滝。
一見悪そうだが快適に登れる。落ち口が少しテクニカルで楽しめる。
ラストの滝で軽くロープワークの練習をした。
大人数なので、フィックスロープをフリクションヒッチで登る方法を実践。本当はきちんとしたユマーリングのやり方を教えた方がいいのだろうが、自身もなんとなくしか分かっていないし、それはまたの機会ということで。
この後の詰めが核心だった。沢がなくなりただの谷形状になったあたりから、かなり傾斜がキツくなる。そこに泥と落ち葉が堆積し、推進力を奪われ登りにくいことこの上ない。
皆、気合の四足歩行で登りきった。
登山道で昼飯を食べ、軍荼利山と書いてあるところから尾根下降に入る。読図の練習のつもりで入ったが、登山道並みにしっかり明瞭な踏み跡がついていた。
途中ところどころ踏み跡の消滅する場所で読図練習をし、林道ゲート手前にドンピシャで下山できた。