風前の灯火

個人的な沢登りの記録

面河本谷〜中沢 2022/9/24

また更新をサボっていました。

もう行ったとこ全部書こうとすると面倒くさいので、今後は特に良かった沢や記録に残すべき何かがあったときだけブログに書いていこうと思います。

 

 

3人パーティ

遡行グレード 2級上(増水考慮)

晴れ

5:30面河渓駐車場〜6:10入渓点〜11:00御来光の滝〜12:30中沢出合〜14:30石鎚山〜15:00まで休憩〜18:00駐車場〜車故障停滞〜23:00松山市内着

 

初四国遠征、初関西の沢。

友人の友人が沢登りしたいとのことで、お誘いがあり乗っかった。諸般の事情で舞台は四国となった。面河渓が前から気になっていたので提案したら、みんな行ってみたいということで即決定した。

 

23日の夜、愛媛へ飛んだ。台風15号接近の影響で少し遅れて到着。松山空港で拾ってもらい、近くの寂れた喫茶店で飯を食い、面河渓に向けて出発。

 

23時頃面河渓到着。駐車場は真っ暗で何も見えないが、川は轟々と凄い音を立てて流れている。自分たちのほかに誰もいないのでアスファルトの上で星を見ながら寝た。

 

翌朝4時半起床、5時半出発。しばらく渓谷沿いの遊歩道を歩く。相変わらず川は轟々と威圧的に流れている。途中、虎ヶ滝、上熊淵や下熊淵などの観光スポット的なものがあるのだが、台風通過直後ということで、どれも恐ろしい程の水量で爆発したような圧倒的威力で奔流している。これ大丈夫か?入渓できるのか?と一同ソワソワし始める。

 

だんだん崩壊する遊歩道を限界まで歩いたところで入渓。一応入渓はできたが、増水で川原は水没して、緊張する水量である。流されたらヤバそうなかんじのボイル釜がそこかしこにある。滑らないよう慎重に、大岩の間を縫って進む。

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少し歩くとゆりあげ。川幅の広い場所で、渡渉ポイントとなる。胸まで水に浸かって渡渉。

ちょっと北アルプス感がある。

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このとき岩で滑って転び、受け身に失敗して肩を脱臼しかけた。

結構痛くて撤退も考えたが、四国まで来て入渓早々撤退なんてことは精神が未熟な私には難しく、なんとかなりそうなので先へ進むことにした。

 

ゆりあげのあと暫くはスケールデカめの良い渓相が続く。増水のお陰というべきか面河ブルーもばっちりである。
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前半はやや平凡。増水してなかったら退屈といえるかもしれない。しかし渓相はベリーナイス。

 

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長淵。平水なら泳ぎ通せるでしょう。今回は途中から右岸巻き。


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見どころのひとつ、「川幅いっぱいのナメ」。


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12m魚止滝。この釜は深く日差しが水中で反射してとても美しかった。思わず泳いだ。左岸巻き。


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3m釜の深い滝。確かにかなり深い釜である。ゴルジュだが右岸から巻ける。多分頑張れば水線突破もいける。

 

終盤は軽快な連瀑帯となる。面河本谷でいちばん楽しいところ。
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連瀑をこなすとついに姿を表す御来光の滝。
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ここで昼食休憩。

今回沢デビューの友達がもう限界かもしれないと言い始めた。会議の末、この後の分岐で彼は登山道へ、私ともう1人は中沢へ向かうことにした。

 


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御来光の滝の右岸から巻道を辿り、ここでお別れ。この分岐は実は三俣になっていて、中沢方面、御来光滝方面、登山道方面に分かれている。


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本谷へ降り、さらに中沢に入った。

中沢は本谷と打って変わって水量は少なく急峻な沢である。少し行くと20mの滝。上部が垂直で登れないので巻いた。(たしか右岸巻き)

 

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その後の10m(写真の滝)と7m(写ってない)。

10mは難なく登れるが7mが核心。両岸立ち上がり巻くのもちょっと大変なかんじで、水流左の少し被り気味の垂壁を微バランスムーブで登った。Ⅲ+程度だろうか。フォローにはロープを出した。

 

大きな滝が終わると沢はいよいよ急峻な細いスラブ状になっていき、ゴリゴリ高度を稼ぐ。終盤はスリップ注意である。


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やがて水が枯れ、V字の青空目がけて笹藪を詰めていく。まあまあ急で疲れるが景色は最高。


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詰めを終えると破線の登山道に飛び出る。登山道とは思えない鎖も何もない岩場をクライミングして、少し歩くと最高到達点。

中国人が上裸でデカい国旗を振り回していた。


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最高点は天狗岳1982m。


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下山は快適。途中で先に下山した友達に追いついたが彼は膝を故障したらしく苦悶の表情で必死に歩いていた。


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駐車場に帰着。

風呂入って高知でカツオ食ってビール飲もうぜと盛り上がっていたのだが、なんと車のエンジンがかからない。

バッテリー上がってんのか?と非常用のモバイルバッテリーでジャンプスタートも試してみたが直らず。他に誰の車もなく、予備のバッテリーもないため仕方なくJAFを呼ぶが2時間待ち…。

友達2人は高知ベースで行動していたが、私は愛媛経由で来ていたので、翌日のことを考えこの時点でカツオは諦め、ここで解散ということになり1人タクシーで松山に帰った。この時点で22時過ぎ、、、

なおタクシー運転手のおばちゃんに伺った話では、面河渓は平水時は水が流れてるのかも分からないくらい静かな川らしい。こんなにドウドウと流れてるなんてね〜と驚いていた。

 

その後ほどなくしてJAFが到着し対応したと友達より通知あり。やはりバッテリー上がりだった模様。高知組も無事脱出できた。

これにて一件落着。既に23時を回っている。さすがに疲れ果てて風呂も飯も全てどうでもよくなり、コンビニ飯とホテルのシャワーで済ませてしまった。

そして死ぬように眠りにつき長い1日が終わった。


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余談。最終日は夕方まで暇なので松山観光。

とりあえず道後温泉に行ってみた。愛媛県民には申し訳ないがこれには正直ガッカリである。。。まず目に着くのが、改修中で街の雰囲気に全く合っていないサイケデリックな目隠しに全体が覆われていること。パチンコ屋かと思った。ホテルで無料券が貰えたので一応入ろうとしたら4時間待ちと言われてまたドン引き。いや4時間て…。

そして何より近代化された街中にこいつだけ忽然と存在していて、趣も何もあったものではない。日本最古の温泉は、周囲を背の高いビルやホテルに囲まれ、無粋なアスファルトの道路が四方を巡るその街中に、逆に場違いで申し訳ないとでも言うように、ぽっつりと取り残されたかの如く存在していたのだった。

その後は鯛めしを食いに港町に向かったが鯛めし屋が休み、、、仕方ないので市内に戻って食った。それからしばらくフラフラしていたのだが、人混みに疲れたしもう飽きてしまった。

本当はレンタカーでもっとあちこち行きたかったがそんなに時間は無いし、床屋で髪を切って、空港で本を読んで過ごした。

おわり。