栗原川本流~ツバメ沢~ケヤキ沢下降 2021/9/19~20
2人パーティ
遡行グレード:1級上(大膳の滝を登攀しない場合)
3連休、2泊の沢に行きたかったがまたも台風で1日ダメにされた。なんなんですかねホントに。仕方ないので近場で気になっていた栗原川を歩いてみた。
9/19(土) 晴れ
6:10林道ゲート~6:40松ぞり沢下降開始~7:10栗原川本流~7:40???の滝~8:35源公の滝~9:30大膳の滝~10:30円覚の滝上~11:35ツバメ沢出合~12:10ツバメ沢10m滝~14:00林道~14:30ケヤキ沢1350m付近テンバ
18日夜、栗原川林道を車で行けるところまで行く。通行止ゲート少し手前の開けた場所の路肩に3台分くらいのスペースがあり、そこに停めた。
翌朝は快晴。出発するとすぐに通行止ゲートだが、4台くらい車があった。
40分くらい歩いて松ゾリ沢に到着。左岸の尾根に踏み跡もあるらしいが、松ゾリ沢下降でも入渓できるようなのでこっちから行ってみる。
ちょこちょこと滑床の片鱗が出てくるくらいで難しいことは特にない。が、本流に合流する直前に15mの堰堤があり、巻き下ることはできず懸垂するしかない。幸いしっかりした木が両サイドに生えていて支点には困らないのだが、ロープが堰堤の角にこすれる形になるため、ロープが破断しそうで怖い。申し訳程度にロープと堰堤の間にクッション役の落ち葉を敷き詰め、なるべく動加重をかけないようゆっくりと下った。全体を通して、これが一番怖かった。
堰堤を降りるとすぐに栗原川の本流。水量と川幅は本流のそれだが、雰囲気は穏やかなかんじ。随所にナメ床が見られ、豊かな森林と青空と陽光も手伝って非常に美しい渓相である。のんびりと歩き出す。
とても美しい川です。
基本ずっとナメ。しばらく歩くと大膳の滝のゴルジュへ到着。
泳いで取りついて登れるらしいが、寒いのでやめた。次回来ることがあったら登りたいな。
大膳の滝
少し戻って右岸のボロい枝沢から高巻く。少し登ると石垣跡が出てくる。
かすかに残る石垣の道を辿っていくと円覚の滝の上に到達する。地形図上で不動滝と示されている滝が円覚の滝である。
そのまま不動沢へと入り少し遡行する。適当なところから1105mのピークを目指して尾根を登り、ツバメ沢出合のあたりに出るように尾根を辿るとドンピシャで降りられた。
このあたりが「極上のテン場」と言われているエリアのようだが、時間は12時前で終了するには早すぎるので、もう少し進むことにした。
ツバメ沢出合(正面:本流、右手:ツバメ沢)
ツバメ沢に入る。ツバメ沢は途中10m滝があるのと、あとは小規模なナメ床が時々見られるくらいで、特段渓相も良くないし植林で薄暗いし倒木で荒れているし、特筆すべきことはない。上部に至っては荒廃していると言っても良いほどである。ケヤキ沢は良かったので、飽くまで栗原川からケヤキ沢への繋ぎとして歩くだけで、ツバメ沢を目的とするほどではないだろう。
序盤は小規模なナメが出てくる
10m滝は左から。
終盤は水流も乏しく、倒木と落石で荒廃気味
さて、ツバメ沢の急で長い詰めを抜け、林道跡に飛び出た。時間は14時でそろそろテンバを決めないといけない。すぐにケヤキ沢に降りて幕適地を探し始める。ケヤキ沢の源頭部は勾配が緩く、少し下ると水も出てきて、その場所はすぐに見つかった。廃林道のような場所で開けて平らで絶好の場所だった。
幕営場所は大変快適だったが、夜はシカがうるさかった。夜中にすぐ近くまで近づいてきて大声で鳴き始めたので、焚火を大きくして追い払った。野生動物の気配に怯えて過ごす夜となった。
9/20(日) 晴れ
8:00テンバ~9:45ケヤキ沢10m滝~10:30ケヤキ沢大滝下~12:05栗原川本流~13:30栗原川林道~14:00林道ゲート
ケヤキ沢下降スタート。粛々と歩いて10m滝を巻き下り、ケヤキ沢大滝40mの下降となる。大滝は右岸から降りる。右岸はルンゼになっており、上からはとてもクライムダウンできそうには見えなかったので懸垂下降(30mロープで2ピッチ)したが、下から見ると全然クライムダウンできそうな斜度だった。
10m。右岸巻き
ケヤキ沢大滝。一見の価値がある。登降は右岸ルンゼから。
大滝までは割と平凡な様相だったが、大滝後は渓相が段々良くなっていく。
標高850mくらいのあたりで一旦沢が開け、右岸の集落跡地の中に薄い踏み跡を見つけ斜面をトラバースしていく。沢は巨岩のゴーロやゴルジュになったりするので、水線通しは大変そうである。トラバースの踏み後もやがて消えるので、適当にルーファイしながら進んでいく。
右岸斜面トラバース中から見たゴルジュ入口の滝。15mくらいに見えた。
本流に近づくにつれ、本流に負けず劣らずの爽快なナメが楽しませてくれる。
最後に幅広の小滝を2つクライムダウンすると本流に合流して終わった。
こういう沢から沢への沢旅をもっとしたい。
栗原川流域は、かつてそこに集落が存在し、5000人もの人々が生活していたというのが俄かには信じ難いほど、自然が深く動物の気配が濃い山だった。楽しかった。