風前の灯火

個人的な沢登りの記録

烏川左俣 2022/7/2

2人パーティ

遡行グレード 1級

晴れ

9:30入渓〜11:05大滝〜12:20登山道〜13:05安達太良山頂〜14:30下山

 

今年1回も山頂に立ってないので、未踏の安達太良山に沢から登ることにした。

 

安達太良は四方に沢がめぐっており、百名谷の杉田川、入門の石筵川、滝見学ツアー的な湯川、岳人掲載の仏沢などいろいろある。その中に下山でロープウェイが使える沢があるのだ。それが烏川である。烏川右俣はなんかすごい大滝があるらしく、それなりのメンバーと装備で行かないと太刀打ちできないようだが、左俣は特に難所もなく山頂直下に詰め上げることができそう。一応少し記録も出てきたので流し読みした。ほーんなんかキレイっぽくて良さげやなという雑な印象だった。

今回の目的は安達太良山に登頂することだったので、大滝登攀はパスして烏川左俣を登りロープウェイで楽チン下山という予定だ。これはきっと楽しいに違いない。誕生日に死にそうな怖い思いをして大滝を登ることもなく、嫌いな下山もスルーして、沢のいいとこ取りだけして満足できるはずだ。そう思っていた。

 

ところがですよ。いや大変でしたね。前半は良かったよ。鳥海山の沢の記録で見たような綺麗なブルーの釜、美しい森とナメ、滝、青空。"当たり"だと思ったよ。なんでこんな良い沢があんまり人気ないんだろうな、遊歩道のせいかな、なんて思ってましたよ。

でもだんだんボサが被さってくるようになり、周囲の木々が頭上に張り出してきて、しまいには行手を塞ぐようになった。ずっと腰を屈めて中腰の姿勢で、木を潜ったり跨いだり、時には四つん這い、いや匍匐前進で進まなきゃならなくなった。なんか水量もチョロチョロになって流れが微弱になり、澱みには死んだ虫とか汚い泡とかが溜まってる。すげえヌルいし。謎の羽虫の大群がそこら中飛び交っていて、鼻とか口とか耳に入ってくる。

普通に歩ければ全然マシだと思う。水が汚いのも虫が多いのもよくあることだし全然気にしないよ。問題は普通に歩けないせいで、進まないことなんですよ。藪漕ぎよりは進むけど、1時間で300mくらいしか進まない。山頂までまだ1.5kmくらいあるし、この先ますますひどいジャングルになりそうだし、もうただの作業と化していてうんざりしたので、登山道と最も接近する1370mあたりで藪漕いで脱出した。この藪漕ぎもブヨとハエの大群に集られてなかなかでしたね。幸い15分くらいで済んだので助かった。

その後はサクッと山頂に登り、山頂にも何故かコバエの大群がいて不快だったのですぐに下山した。帰りがロープウェイだったのが良かった。

 

だいたいそんなかんじです。写真はあんまり撮ってないけど貼っておきます。

 

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入渓直後


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非常に美しい釜を持つ滝。左から登れた。


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綺麗な釜の小滝がチラホラ


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ナメもいいかんじ


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きれい


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夏空


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ナメ


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青空と小滝。だんだん歩きづらくなってくる。


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大滝。階段状で容易。

ここは開けているけど前後はずっとジャングルです。せめてこれを見ようとここまで頑張ったけど正直そこまでして見るほどのものじゃなかった。


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脱渓して山頂へ。

 

 

前半はすごく良かった。後半は好きな人もいるかもしれないけど個人的にはかなり微妙なので、前半部ピストンがいいと思います。前半は渓相もいいし、いくつかある神秘的なブルーの釜が美しい。危険箇所もなく、途中まで遊歩道が並走していて一瞬でエスケープして戻って来られるので、我が子を沢デビューさせたいけど沢って危ないしちょっとナァ、、と思ってるそんなあなたにおすすめです。