風前の灯火

個人的な沢登りの記録

【過去編③】釜川右俣 2017/8/14-15

また過去編。

7月の連休以降、休日に限ってずっと悪天続きで、この1ヶ月弱で沢に行ったのは増水撤退の東黒沢1回のみ。なんということでしょう。ろくに沢に行けぬまま夏が終わっていく。

 

仕方ないので過去編をどんどん書いていく。

今度は釜川右俣。この沢もずっと雨で大増水に苦労したある意味思い出深い沢である。

 

3人パーティ

遡行グレード 3級上(増水考慮)

8/14 雨

9:30入渓〜13:20三ツ釜の滝〜19:00林道跡の橋

 

この年は行く沢行く沢必ず雨が降り、この時ももともと南アルプスに行こうとしていたのが、南ア方面は雨予報で越後方面が晴予報だったので転向したのだが結局雨が降るという雨っぷり。
転進で来たので事前調べをあんまりしておらず、雨でやる気も出ず、当たり前みたいに寝坊して起きたらもう9時頃だった。

それでも朝の出発の時だけは少し晴れ間を覗かせたので希望を胸に入渓するが、無情にも間も無く雨となった。降り続く雨で沢は増水していた。

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入渓直後の取水堰堤。平水時はこんな滝のようになってはいないらしい。

 

雨の中ゴルジュが続き、泳ぎが連続する。

滝は増水で手の付けようがないのでほとんど巻いたと思う。巻きはそれほど難しくなかった。

以下、ゴルジュ内写真。もっと撮ったはずだけど一部消滅してしまった。

どれがどの部分だか忘れたので順番は適当です。

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泳ぐ泳ぐ。
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困難そうな滝は巻けるのですごく厳しいという感じはないが何しろ水量が多い。もともと水量多めの沢が増水しているので、ちょっとしたポイントも一苦労である。

 

しばらくすると、いよいよ三ツ釜である。

想像していたよりデカく、増水も相まって迫力がある。瀑風で結構寒かった。
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この写真のように、左の三日月みたいな形の部分にまで水が流れていると結構な増水であるらしい。

 

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上から見た釜。

 

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右のスラブを登り、ヤド沢の入口を通って滝上に回り込む。

フレークがパリパリと剥がれ、ちょっと怖かった。支点など取れないのでフリクションで頑張るしかない。

 

このあとも粛々とゴルジュをこなし、清水沢との二俣を過ぎてもゴルジュは続く。ゴルジュ終盤の、沢幅が急激に狭まる2メートルくらいの小滝が増水でものスゴいことになっていて全然上がれず、泳いでハーケンを少し打ち込んでは戻されて、また泳いで打ち込むを繰り返し、やっとのことでスリングをかけてゴボウでファイト一発、みたいなことでやたら苦労した。あとでガイド本の写真と見比べたら目測で50cmくらい水位が高かったように見えた。写真は消えてしまったが、この小滝が一番の核心だった。

 

泳ぎと登攀を繰り返し、疲労困憊でこの日のテンバに決めていた橋に辿り着いたのが夜7時前。完全に日が暮れかけていた。やっと辿り着いたテンバだが、依然雨は降り続け薪はビショビショだし辺りも暗いし寒い。焚き火は諦めてタープだけ張り、ガスで飯を食って、ずぶ濡れのままシュラフに入りすぐに寝た。ツラいビバークだった。

 

 

8/15 雨

7:00出発〜10:00謎の大滝〜11:30登山道〜13:00駐車地点

 

2日目は特に困難なところもなく、精神的に余裕が生まれてきた。

だが相変わらず天気は悪く、シャバシャバと降り続けており、もはや早々に脱渓したいムードが溢れていた。

そこで横沢出合の二俣を右に入り、その奥の二俣も右へ行く最短ルートで登山道を目指そうということになった。

この沢(横沢右俣右沢とでも言おうか)は、特に何もない沢だったが、しばらく行くと突如50mくらいの巨大な滝が現れて驚いた。この雨でも水流はチョロチョロだったので、もしかすると普段は枯れている幻の滝的なやつなのかもしれない。

下から見ると登れそうに思えたが、右岸から巻けそうだったので巻いた。巻き途中に見たところ中段部分がツルツルでかなり悪そうだった。
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謎の50m大滝

 

そんなこんなでナメ状になった現頭部を詰め、湿原に飛び出しフィニッシュ。下山はずっと平らで木道完備で超快適。惜しむらくはこの悪天候である。
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テクテク歩いてあっという間に起点に戻った。


天気は悪かったが雪渓もなく、水量豊富なゴルジュが続きかなり楽しめた。増水で滝をほとんど巻いてしまったことが悔やまれる。

ここも、晴れの日に再訪したい1本である。