神子内川手焼沢 2021/10/23
2人パーティ
遡行グレード 1級下
晴れ
8:30入渓〜9:30脱渓〜10:30下山
今回の同行者である妻が超軽めのところとリクエストしてきたので、紅葉も期待できそうな日光で、神子内川の手焼沢へと行ってみた。
手焼沢は1050mあたりまではいくつか滝があるが、その先は遡行図によると何もないようなので、そこまでで切り上げて1155のピークから尾根を下ることにした。もはやちょっとした朝の散歩である。
日光宇都宮道路を降りるといろは坂渋滞が始まっていた。日足トンネルを日光から足尾へ抜けると、すぐ右側に駐車スペースがあるのでそこに停める。
取水施設の作業道を通らせてもらうと不動滝である。そのまま巻く。
入渓すると小滝がぼちぼち現れるが全部Ⅱくらい。手を添える程度で何も問題はない。
あっという間に本日最後の滝。これがいちばん滝らしかったかな。でもⅢはないと思う。
左岸から1155のピークへ詰め、尾根を下って出合に戻ってきた。まだ10:30…笑
ちなみに紅葉はしていなかった。いろは坂は渋滞していたけど紅葉してたのか?標高的にはあんまり変わらないはずなんだけど…
沢は、水が綺麗な癒し系でした。序盤のいいとこ取りルートなら半日で終わるので、転進先として候補になるかな。
昼前に下山して、温泉に入って帰るだけというゆるゆるな旅もたまにはいいですね。
おわり。
割引沢ヌクビ沢三嵓沢 2021/10/9
ソロで簡単な沢へ。
三嵓沢出合までは一応登山道扱いだが、ほとんど完全に沢登りである。分岐するヌクビ沢ルートと割引沢ルートも同様。
紅葉には少し早かった。雪渓は皆無だった。
その他特に書くことはないので写真だけ。
ソロ
遡行グレード 1級上
快晴
9:00入渓〜10:00アイガメの滝〜10:40布干岩〜10:50三嵓沢出合〜12:20登山道〜14:00桜坂駐車場
さて行こうか。
最高だね
最高なんだが、序盤やたらと息切れしてフラフラしていた。熱でもあるのかと心配になったがその後すぐに収まった。
圧倒的開放感
米子沢に劣らずの美渓です
アイガメの滝
布干岩
ヌクビ沢出合
三嵓沢のどこかの滝
ずっと快晴
もう少し…
雲ひとつない青空に爽やかな風が吹き抜け、死にそうなほど清々しい。
終了。時間はまだ早いのでとりあえず巻機山に向けて歩いてみる。避難小屋のあたりで米子沢からウジャウジャと人が沸いてくる。登山道にも米子沢からと思われる沢装備の人が溢れている。ベストシーズンの米子沢は想像以上に混むようだ。米子にしなくて良かった。ちなみに割引沢〜三嵓沢のほうはこの日僕の他に1パーティか2パーティのみの入渓だったようである。
巻機山のピークを踏んで帰ろうと思っていたけれど、人の多さに辟易して面倒くさくなったので途中でやめた。桜坂駐車場まで転がるように下山した。
下山してぼんやり休憩していたら、なんと先輩夫婦が下りてきた。米子沢を登ってきたそう。この週末は新潟以外の天気が微妙だったのもあってここに人が集まってきたようだが、僕たちも御多分に漏れずということだったようだ。世間は狭いものである。特に沢の世界は。
栗原川本流~ツバメ沢~ケヤキ沢下降 2021/9/19~20
2人パーティ
遡行グレード:1級上(大膳の滝を登攀しない場合)
3連休、2泊の沢に行きたかったがまたも台風で1日ダメにされた。なんなんですかねホントに。仕方ないので近場で気になっていた栗原川を歩いてみた。
9/19(土) 晴れ
6:10林道ゲート~6:40松ぞり沢下降開始~7:10栗原川本流~7:40???の滝~8:35源公の滝~9:30大膳の滝~10:30円覚の滝上~11:35ツバメ沢出合~12:10ツバメ沢10m滝~14:00林道~14:30ケヤキ沢1350m付近テンバ
18日夜、栗原川林道を車で行けるところまで行く。通行止ゲート少し手前の開けた場所の路肩に3台分くらいのスペースがあり、そこに停めた。
翌朝は快晴。出発するとすぐに通行止ゲートだが、4台くらい車があった。
40分くらい歩いて松ゾリ沢に到着。左岸の尾根に踏み跡もあるらしいが、松ゾリ沢下降でも入渓できるようなのでこっちから行ってみる。
ちょこちょこと滑床の片鱗が出てくるくらいで難しいことは特にない。が、本流に合流する直前に15mの堰堤があり、巻き下ることはできず懸垂するしかない。幸いしっかりした木が両サイドに生えていて支点には困らないのだが、ロープが堰堤の角にこすれる形になるため、ロープが破断しそうで怖い。申し訳程度にロープと堰堤の間にクッション役の落ち葉を敷き詰め、なるべく動加重をかけないようゆっくりと下った。全体を通して、これが一番怖かった。
堰堤を降りるとすぐに栗原川の本流。水量と川幅は本流のそれだが、雰囲気は穏やかなかんじ。随所にナメ床が見られ、豊かな森林と青空と陽光も手伝って非常に美しい渓相である。のんびりと歩き出す。
とても美しい川です。
基本ずっとナメ。しばらく歩くと大膳の滝のゴルジュへ到着。
泳いで取りついて登れるらしいが、寒いのでやめた。次回来ることがあったら登りたいな。
大膳の滝
少し戻って右岸のボロい枝沢から高巻く。少し登ると石垣跡が出てくる。
かすかに残る石垣の道を辿っていくと円覚の滝の上に到達する。地形図上で不動滝と示されている滝が円覚の滝である。
そのまま不動沢へと入り少し遡行する。適当なところから1105mのピークを目指して尾根を登り、ツバメ沢出合のあたりに出るように尾根を辿るとドンピシャで降りられた。
このあたりが「極上のテン場」と言われているエリアのようだが、時間は12時前で終了するには早すぎるので、もう少し進むことにした。
ツバメ沢出合(正面:本流、右手:ツバメ沢)
ツバメ沢に入る。ツバメ沢は途中10m滝があるのと、あとは小規模なナメ床が時々見られるくらいで、特段渓相も良くないし植林で薄暗いし倒木で荒れているし、特筆すべきことはない。上部に至っては荒廃していると言っても良いほどである。ケヤキ沢は良かったので、飽くまで栗原川からケヤキ沢への繋ぎとして歩くだけで、ツバメ沢を目的とするほどではないだろう。
序盤は小規模なナメが出てくる
10m滝は左から。
終盤は水流も乏しく、倒木と落石で荒廃気味
さて、ツバメ沢の急で長い詰めを抜け、林道跡に飛び出た。時間は14時でそろそろテンバを決めないといけない。すぐにケヤキ沢に降りて幕適地を探し始める。ケヤキ沢の源頭部は勾配が緩く、少し下ると水も出てきて、その場所はすぐに見つかった。廃林道のような場所で開けて平らで絶好の場所だった。
幕営場所は大変快適だったが、夜はシカがうるさかった。夜中にすぐ近くまで近づいてきて大声で鳴き始めたので、焚火を大きくして追い払った。野生動物の気配に怯えて過ごす夜となった。
9/20(日) 晴れ
8:00テンバ~9:45ケヤキ沢10m滝~10:30ケヤキ沢大滝下~12:05栗原川本流~13:30栗原川林道~14:00林道ゲート
ケヤキ沢下降スタート。粛々と歩いて10m滝を巻き下り、ケヤキ沢大滝40mの下降となる。大滝は右岸から降りる。右岸はルンゼになっており、上からはとてもクライムダウンできそうには見えなかったので懸垂下降(30mロープで2ピッチ)したが、下から見ると全然クライムダウンできそうな斜度だった。
10m。右岸巻き
ケヤキ沢大滝。一見の価値がある。登降は右岸ルンゼから。
大滝までは割と平凡な様相だったが、大滝後は渓相が段々良くなっていく。
標高850mくらいのあたりで一旦沢が開け、右岸の集落跡地の中に薄い踏み跡を見つけ斜面をトラバースしていく。沢は巨岩のゴーロやゴルジュになったりするので、水線通しは大変そうである。トラバースの踏み後もやがて消えるので、適当にルーファイしながら進んでいく。
右岸斜面トラバース中から見たゴルジュ入口の滝。15mくらいに見えた。
本流に近づくにつれ、本流に負けず劣らずの爽快なナメが楽しませてくれる。
最後に幅広の小滝を2つクライムダウンすると本流に合流して終わった。
こういう沢から沢への沢旅をもっとしたい。
栗原川流域は、かつてそこに集落が存在し、5000人もの人々が生活していたというのが俄かには信じ難いほど、自然が深く動物の気配が濃い山だった。楽しかった。
塩ノ川上部 2021/9/11
塩ノ川は吾妻三名渓の一角で、もう2つは中津川と松川であるが、中津川は7月に遡行し大変楽しかった。以来、他の2本にも興味があり遡行したいと思っていたのだ。正直、中津川がとても良かったのでそれには劣るが、塩ノ川も見どころ豊富な秀渓であった。
4人パーティ
遡行グレード:2級上
9/11 曇り
8:15駐車地点〜8:35貯水池〜9:05入渓〜9:45くらげ滝〜11:20あじろ滝〜12:05銚子滝〜12:50やな滝〜13:45支流12m滝〜14:20緑色の釜〜14:50枯滝20m〜15:15雪代の床〜15:40大滝30m〜16:10CS7m〜17:00浄土平
前夜、浄土平ビジターセンターに集合し眠るが、強い雨が降っていた。早朝に起点まで移動するが、この間も雨が降ったりやんだり。兎にも角にもパイロットファーム6号線の分岐のY字路に車を停めた。駐車地点は「沢の扉」の記録を参考にさせていただきました。この先で道は細くなり、両岸から藪が激しくなってきてやがて舗装もなくなり廃道となる。車で突っ込めないこともないが傷だらけになるでしょう。
さて、ここから40分程歩いて入渓となる。塩ノ川沿いの林道も、そこへ続く踏み跡も明瞭だった。
貯水池を通過
地形図上のゴルジュ記号を抜けたあたり、標高990mくらいの地点から急斜面を伝って沢へ降りる。案の定水量が多かったが、谷は深く雨に濡れて雰囲気があるなあというかんじ。水は温泉成分で青白く濁っている。
入渓直後
この沢は岩がデカい。いつまでも巨岩帯が続くのである。巨岩→高巻き→巨岩→高巻きといったかんじで体力勝負の遡行となる。
そうして最初に現れるはくらげ滝15m。上に同サイズの滝がもう一つ控えている。昔は岩が被さりくらげのように見えたらしいが、その岩は崩落し今はくらげの面影もない。上の滝と合わせて2段30mと言ってもいいかもしれない。
吾妻の沢の例に漏れず大高巻きとなる。ここは右岸から。上部で岩壁が被さってくるので、左から迂回するように巻く。
くらげ滝 15m
巻き途中から
くらげ滝とこの次のあじろ滝は、それぞれ短いが強烈なゴルジュを形成しており、滝の巻きと言うよりはゴルジュ帯の巻きというかんじで結構長めに巻くことになる。土の斜面はズルズルで、木や笹を掴みながら四つん這いで頑張る雰囲気のやつである。
そんな感じでくらげ滝の巻きを終え、また巨岩を越えていく。途中、神秘的な乳青色の釜が幾つも現れる。一度泳いでみたが水中が全く見えず不気味だった。
あじろ滝も右岸から巻く。くらげ滝同様ゴルジュ帯を見下ろしながら巻いていく。途中沢床に降りられる場所があり、滝を覗くことができる。
巻きながらゴルジュを見下ろす
ここら辺のゴルジュが結構強烈で、塩ノ川上部で完全水線遡行に挑む場合あじろ滝のゴルジュが核心となるでしょう。
降りて覗ける滝
その後再び高巻きに戻るが、その次の滝がデカそうで、それがおそらくあじろ滝なのだが、我々は見に行くのが面倒なのでそのまま巻きで通過してしまった。
あじろ滝本体と思われる滝の滝壺
巻き続ける
あじろ滝を巻き終え、またも巨岩をこなしていくと間もなく銚子滝13mである。岸壁に四角く切り取られた空から放出される直瀑で、なかなか美しい。中津川の神楽滝を小さくしたみたいだなと思った。
銚子滝は左岸巻き。これはゴルジュを形成していないのでサクッと終わる。
銚子滝 13m
銚子滝上。突然の穏やか系。
銚子滝の上は突然穏やかな渓相になり、巨岩もなくなる。ほどなくしてやな滝が出てくる。左の角を頑張れば登れそうだが見るからにヌメヌメである。寒いし左岸から巻いた。
やな滝 6m
ここから20m枯滝までの区間は特に何も無い川歩きとなり粛々と歩く。途中支流の12m滝が左岸から流れ込んでくる。澄んだ青い水と緑の苔と赤い岩のコントラストが印象的な滝だった。どこから流れてるのかよく分からないのだが、崖から染み出してるのか?
支流12m滝
このあたりからあり得ないくらい滑る黒い苔が目立ってくる(谷川などで見る黒い苔とも違う)。フェルトのフリクションも0になるほど滑りまくって、これには参った。これに混じって緑の苔もたくさん生えてきて、緑色の釜が近いことを予感する。
案の定、10m枯滝と緑色の釜が現れた。枯滝はこの時は枯れていなかったし、緑色の釜は思っていたほど緑ではなかった。雨で藻が流されたのか?とはいえ確かに静かで印象的な場面だったので、少し休憩とした。
滝の左から登れた。
また歩くと、聳え立つ20m枯滝が見えてくる。例によって枯れておらず、西表島のピナイサーラの滝のようだった。普段はこの滝も枯れているらしいので、幻の滝である。釜のミルキーブルーも一際濃い色で美しく、塩ノ川で一番の見どころと言っても良いだろう。
ピナイサーラの滝風20m滝
ピナイサーラは左岸巻き。トポでは右岸巻きとなっているがどう見ても左岸です。
さて、これを登るとすぐに雪代の床と呼ばれる浸食されて不思議な景観の岩盤地帯が始まる。
ここもいつもは水流がないらしいが、この日は普通に流れていた。
雪代の床が終わると、ほどなくして30m大滝となる。大滝と言っても下半分は多段で傾斜も緩く普通に歩けるため、大滝というかんじはしない。
上半分が登攀となるが、それほど難しくもなくノーザイルで全員クリア。
30m大滝
この後は何もなく、歩き続けると次第に火山ぽい荒涼とした雰囲気になっていく。
7mCS滝を見たら左岸より一旦エスケープ。浄土平へ続く踏み跡を拾う。
7mCS
途中で再び塩ノ川を徒渉するので、ここで沢に復帰。浄土平の木道へ向けて源流を歩く。
湿原の木道にぶつかって終了。
デポした車で起点の車を回収へ。下山が無いっていいですね。癖になりそう。
今回は日帰りなので上部だけだったが、見所がたくさんあり面白い沢だった。特に銚子滝までの前半は大渓谷の雰囲気で楽しい。後半は川歩きがやたら長いが、その後の雪代の床と2つの枯滝も見応えはある。特に20mの枯滝は、枯れていないときに訪れれば離島の大滝を見ているかのようで、なかなか感動ものである。
日帰りでこれだけの内容を楽しめれば充分だろう。次は下部の遡行もしてみたい。
湯檜曽川大倉沢 2021/8/28-29
3人パーティ
遡行グレード 3級上
8/28 晴れのち曇り
8:00駐車場〜9:30入渓〜10:25ウナギの寝床〜11:00十字峡〜11:50 10m滝〜13:30大滝40m〜15:00CS3m〜16:30幕営1550m付近
白毛門駐車場に深夜3時半に到着して、さて寝ようと横になった矢先、沢靴を忘れてきたことに気が付いた。やってしまった〜〜〜、、、激萎えで関越追加往復4時間。6時に出発したかったのに8時出発になってしまった。おかげで睡眠は浅めに1時間程度。何やってるんでしょう。
元々はちゃんと早発して大倉沢から朝日岳を越えてウツボギ沢の出合まで下り、そこで泊まって翌日ウツボギ沢という予定だったのだが、これじゃウツボギまでは無理だろうなと、半ば当初の予定は諦めた。
おにぎりを食べたら少し頭がスッキリしたので、何はともあれ歩き出した。今日は久しぶりの快晴真夏日である。8月に入ってからというもの沢チャンスの日が尽く雨で、真夏を1ヶ月も無駄にしてしまった。白毛門駐車場はかつて見たことないくらい混んでいたので、みんな同じように相当鬱憤が溜まってここぞとばかりに集まってきたのだろう。
湯檜曽川沿いの新道を歩くこと1時間半、武能沢を下って本谷に入渓。いや本当にお天気がよろしい。湯檜曽川ってこんなに美しかったんだね。過去2回の湯檜曽は灰色の景色だったので。
入渓直後
すぐに魚止滝のゴルジュ帯になる。
スタートが2時間遅れなので時短のため巻き。
最初の滝を越え、魚止滝が見えたところで右岸の巻道に上がった。
ゴルジュの先から十字峡までは難所はない。太陽と青空、爽やかな風と清らかな水に、魂が浄化されていく。
床のような一枚岩
ウナギ淵は気持ちよく泳いだ。
十字峡が見えた
十字峡。正面が抱返沢、左岸から出合うのが大倉沢F1。最初の滝は簡単だが、大倉沢に入った途端にヌメリが強くなった。
2つ目の滝。シャワーで難なく突破。
難しくはない小滝が続く。
核心の10m滝。これが一番大変だった。
右からノーロープで取り付くが見た目より悪い。中段でロープを出し、水線から離れ草付きに入り、落ち口より5mくらい上まで追い上げられる。途中ハーケン2枚と灌木で支点を取れたが、草付きに入ると支点が取れなくなり、落ち口上流まで怖いトラバースをかけ、草を頼りにクライムダウンして終了。
ほどなく大滝40m。
右から登るが、中段までは簡単。
下から見るとテラスのように見える岩のあたりに残置ボルトがある。
中段まで登ったところ。
そこからロープを出し上段を登攀。上段も難しくはないが、高度感がある。
大滝を越えると荒々しくも開放的な景観になり、ナメ滝が続くようになる。
斜度的にはナメというかスラブ滝である。
難しくはなく、ペタペタと快適に登っていける。
10mナメ滝の上で沢が右折すると、ゴルジュが始まる。ここにも核心となる3mCS滝があると聞くが…
ゴルジュへと入っていく。
これが3mCS滝。本来は左の水流をメチャクチャシャワークライミングで頑張って登る滝のようだが、デカい流木が引っかかっていて、全く苦労せずあっさりクリアできてしまった。
流木が無いとバランスがとりづらく、確かに少し難しいかもしれない。
その先もゴルジュは続く。難しくはないが簡単でもない滝が連続し、かなり楽しい区間だった。
ゴルジュが終わると再び景色が開け、地質の変化が見られる。この時点でウツボギ沢はさっぱり諦め、本日のテンバを探すことにする。
この少し先、トポでいう「狭い滝4m」の手前に3人がギリ寝れそうなスペースがあったので、そこに幕を張った。
焚火をしていたら小雨が降ってきた。すぐ止むかなと思ったが止まず、寝不足だったし、19時半には寝てしまった。
8/29 曇り時々晴れ
9:30出発〜10:10奥の二俣〜12:00稜線〜13:00笠ヶ岳(〜13:20)〜14:05白毛門〜16:10駐車場
翌日は詰めと下山だけなので、時間はあまり気にせず適当に寝まくって起きたら8時半くらいだった。たっぷり13時間睡眠。前日ほぼ徹夜だったことに加えて、テンバが意外と快適だったのである。
それからさらにダラダラと準備して出発。
狭い滝4mから。
テンバから撮影。手前に写っているのが狭い滝。
狭い滝を越えると小滝の連続。
支流の滝。どの支流だか忘れた。
少しゴルジュ状になるところもある。
奥の二俣。
最後1時間ほど藪漕ぎした。
朝日岳手前の稜線に出た。
白毛門経由での長い下山である。私はこの白毛門の下山が本当に嫌いで、その上暑さでバテて疲れた。
「湯檜曽川本谷より遡行感度は上」「谷川の銘渓五指に入る」などの事前情報から、大倉沢への期待は高かったが、期待を裏切らない充実の内容だった。小難しい滝と開放感ある渓相、ゴルジュ突破もあり、詰めも冗長でなくサクッと終わる。なるほど先人の評価にも納得である。非常に楽しかった。
ロープは30mで充分だが、40m大滝を下から確保して登るなら50m必要。ヌメるところがあるが、ナメ滝や乾いた岩はラバーが効くので、全体を通してフェルトもラバーもあまり差はない。幕営適地は我々が泊まった場所以外に2,3箇所あったが、いずれも狭く落石と増水のリスクがある。雪渓は皆無だった。
【過去編③】釜川右俣 2017/8/14-15
また過去編。
7月の連休以降、休日に限ってずっと悪天続きで、この1ヶ月弱で沢に行ったのは増水撤退の東黒沢1回のみ。なんということでしょう。ろくに沢に行けぬまま夏が終わっていく。
仕方ないので過去編をどんどん書いていく。
今度は釜川右俣。この沢もずっと雨で大増水に苦労したある意味思い出深い沢である。
3人パーティ
遡行グレード 3級上(増水考慮)
8/14 雨
9:30入渓〜13:20三ツ釜の滝〜19:00林道跡の橋
この年は行く沢行く沢必ず雨が降り、この時ももともと南アルプスに行こうとしていたのが、南ア方面は雨予報で越後方面が晴予報だったので転向したのだが結局雨が降るという雨っぷり。
転進で来たので事前調べをあんまりしておらず、雨でやる気も出ず、当たり前みたいに寝坊して起きたらもう9時頃だった。
それでも朝の出発の時だけは少し晴れ間を覗かせたので希望を胸に入渓するが、無情にも間も無く雨となった。降り続く雨で沢は増水していた。
入渓直後の取水堰堤。平水時はこんな滝のようになってはいないらしい。
雨の中ゴルジュが続き、泳ぎが連続する。
滝は増水で手の付けようがないのでほとんど巻いたと思う。巻きはそれほど難しくなかった。
以下、ゴルジュ内写真。もっと撮ったはずだけど一部消滅してしまった。
どれがどの部分だか忘れたので順番は適当です。
泳ぐ泳ぐ。
困難そうな滝は巻けるのですごく厳しいという感じはないが何しろ水量が多い。もともと水量多めの沢が増水しているので、ちょっとしたポイントも一苦労である。
しばらくすると、いよいよ三ツ釜である。
想像していたよりデカく、増水も相まって迫力がある。瀑風で結構寒かった。
この写真のように、左の三日月みたいな形の部分にまで水が流れていると結構な増水であるらしい。
上から見た釜。
右のスラブを登り、ヤド沢の入口を通って滝上に回り込む。
フレークがパリパリと剥がれ、ちょっと怖かった。支点など取れないのでフリクションで頑張るしかない。
このあとも粛々とゴルジュをこなし、清水沢との二俣を過ぎてもゴルジュは続く。ゴルジュ終盤の、沢幅が急激に狭まる2メートルくらいの小滝が増水でものスゴいことになっていて全然上がれず、泳いでハーケンを少し打ち込んでは戻されて、また泳いで打ち込むを繰り返し、やっとのことでスリングをかけてゴボウでファイト一発、みたいなことでやたら苦労した。あとでガイド本の写真と見比べたら目測で50cmくらい水位が高かったように見えた。写真は消えてしまったが、この小滝が一番の核心だった。
泳ぎと登攀を繰り返し、疲労困憊でこの日のテンバに決めていた橋に辿り着いたのが夜7時前。完全に日が暮れかけていた。やっと辿り着いたテンバだが、依然雨は降り続け薪はビショビショだし辺りも暗いし寒い。焚き火は諦めてタープだけ張り、ガスで飯を食って、ずぶ濡れのままシュラフに入りすぐに寝た。ツラいビバークだった。
8/15 雨
7:00出発〜10:00謎の大滝〜11:30登山道〜13:00駐車地点
2日目は特に困難なところもなく、精神的に余裕が生まれてきた。
だが相変わらず天気は悪く、シャバシャバと降り続けており、もはや早々に脱渓したいムードが溢れていた。
そこで横沢出合の二俣を右に入り、その奥の二俣も右へ行く最短ルートで登山道を目指そうということになった。
この沢(横沢右俣右沢とでも言おうか)は、特に何もない沢だったが、しばらく行くと突如50mくらいの巨大な滝が現れて驚いた。この雨でも水流はチョロチョロだったので、もしかすると普段は枯れている幻の滝的なやつなのかもしれない。
下から見ると登れそうに思えたが、右岸から巻けそうだったので巻いた。巻き途中に見たところ中段部分がツルツルでかなり悪そうだった。
謎の50m大滝
そんなこんなでナメ状になった現頭部を詰め、湿原に飛び出しフィニッシュ。下山はずっと平らで木道完備で超快適。惜しむらくはこの悪天候である。
テクテク歩いてあっという間に起点に戻った。
天気は悪かったが雪渓もなく、水量豊富なゴルジュが続きかなり楽しめた。増水で滝をほとんど巻いてしまったことが悔やまれる。
ここも、晴れの日に再訪したい1本である。
東黒沢(撤退) 2021/8/11
お盆。外出するなとでも言わんばかりの連日悪天予報である。沢に使えるのは11〜15日の5日間だが、辛うじて晴れそうなのは11日だけ。12日午後からは天気が崩れ始め、13日からは論外の荒れ模様となる。そもそも3週間前に足首を捻挫したので厳しい沢には行けないのだが、それでも折角の夏休み、渓谷の雰囲気に浸れる山深い沢旅をしたいなと思い越後の沢で2泊3日の計画などもあったのだが、あいにく新潟はお天気全然ダメである。
仕方ないので勝手知ったる東黒沢で軽く遊ぼうと思ったわけだが…
2人パーティ 曇り時々晴れ
遡行グレード 1級上
9:00白毛門駐車場〜10:00ハナゲ滝〜10:15ハナゲ滝上〜10:20撤退〜11:20駐車場
前夜駐車場へ着き車中泊したが、夜通し雨が降っていた。朝には止んでいたが、入渓すると水が濁っており、一目で増水とわかる。でもまあ東黒沢は何度も遡行しているし、とりあえずハナゲまで行って考えましょう。
入渓直後。笹濁り。
ハナゲの滝に到着。驚くほど水量がある。東黒沢には融雪期も含めて5〜6回来ているが過去最大の水量である。
今回のハナゲ
平水時のハナゲ(過去遡行時)
滝下の様子
晴れてるし、今日から明日昼までは天気がもつ予報なので、次第に水量は減るだろうと予想して進む。
ハナゲを初めて巻いた。滝上は普段なら穏やかな滑床をサラサラと水が流れているところなのだが、今回はザバザバと流れており、巻道から落ち口に降りるのも少し緊張した。
うーんナメをヒタヒタというかんじではないですね。水流を飛び越えつつ進むが、パートナー(妻)がもう帰ろうと言い始めた。行けば行けるとは思うが、たしかに捻挫した足がジャンプのたびに痛むし、水量は一向に減らないので戻ることにした。
ハナゲを下り、キャニオニング業者のアプローチ道を辿ってすぐに駐車場へ戻ってきた。
物足りないので、湯檜曽川の本流で徒渉の練習をして遊んで帰った。