風前の灯火

個人的な沢登りの記録

檜又谷大スラブ沢 2021/10/30

4人パーティ

遡行グレード 2級上

快晴

10:00檜又谷出合〜10:30一ノ沢出合〜11:15大スラブ沢出合〜15:30馬蹄形稜線〜17:10駐車地点

 

記録はヤマレコに載せたのでヤマレコに書かなかったことを書こうかな。

記録は下記URLからどうぞ。

↓ヤマレコ↓

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3693863.html

 

 

一番好きな季節は何か。

そう聞かれて、以前の僕なら迷わず夏と答えていた。確かに夏は好きである。では夏とはいつからいつまでか。僕にとって夏とはGW明けくらいから10月の三連休くらいまでだ。それ以降はだんだんと紅葉が始まり秋の気配となり、葉が全部落ちたら冬と認識する。つまり紅葉している間だけが秋である。

 

そう、紅葉。僕はこの紅葉という自然現象がとにかく大好きだということに最近気付いた。今なら一番好きな季節は秋と答えるかもしれない。

 

春の桜も良い。夏の青葉も冬の銀嶺もまた素晴らしい。しかし秋の紅葉は僕にとってそれらとは一線を画し特別に感じ入るものがあるのだ。

何故かは分からないが、多分紅葉が一年のうちで最も限定的瞬間だからだと思う。紅葉自体は色づき初めから落葉まで、また早いエリア遅いエリアあるので10月初旬から12月頃まで期間としてあるのだが、その間で森全体山全体が燃えるように色づく期間というのは合計でほんの2週間程度しかないのだ。しかも僕は渓谷や人少ない山の自然林の紅葉にしか興味がないので、チャンスはもっと少ない。

桜も刹那的イベントだが、桜はどちらかというと街のものである。紅葉は山で見られる。

 

だから紅葉シーズンになると取り憑かれたかのように紅葉紅葉とうわごとにように唱えあちこち探し回る。でもタイミングが少しずれたり、晴れてなかったり、そういう些細なことで納得のいく紅葉体験には辿り着けないことが往々にしてある。

しかし全ての条件が整ったとき、森は美しく4色に輝き、秋の穏やかな風、清らかな渓の流れ、山の静寂、その圧倒的至福に僕の魂は解放され、形容し難い幸福感を得るのである。その体験が出来たとき、その年はもう沢登りを終わりにしていいかなと思える。逆にその体験が出来なかったときは、納得できずいつまでも未練がましく沢に行くのである。下手するとシーズンオフし損ねて凍った沢に行ったりしてしまう。

夏にその年目標に据えていた沢を成功させ、秋に最高の紅葉体験が出来れば、その年は文句なく沢締めできるのである。

 

そういうことで、この大スラブ沢で見事最高の紅葉に巡り会えたので、2021年の沢登りは僕の心の中では終わりを迎えたのであった。

 

以上、どうでもいいお話でした。